中山道・贄川から東に向かって

贄川〜桜沢

中央本線の「スーパーあずさ号」から塩尻で中津川行き電車に乗り換え、10:51に無人の贄川駅に着きました。下車したのは私一人でした。
塩尻からのJR東海の車両は普通列車でも新車になっています。ワンマンですが2両編成です。多分、東海道新幹線で儲けているのでしょうね。
中仙道中仙道

駅前を国道19号線が走っています。ちょうど1年前にはこの贄川から鳥居峠を越えて薮原まで歩きました。今日は逆に東に向かって塩尻まで歩きます。
関所のある贄川の宿は駅から500mほど西に行ったところにある。鉄道建設の頃は宿に駅を造ると宿が寂れるのでは、ということで離れたところに駅が出来たのでしょうか。 この付近の旧中山道は駅の裏側の谷に近いところを通っていたのだが、それは今は通れないのです。
山側にしか歩道の無い国道を東に向かって歩いていくと、すぐに民家の途切れたところに東海自然歩道の標識があって左を指しているが、真っ直ぐに国道を行きます。
中仙道中仙道
中央線の線路と並行してさらに進むと左側に上る道があり、これが旧街道のようです。 上ったところで左から東海自然歩道が合流して来ました。
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見晴らしの良いところに出て来ました。ベンチでもあればここでしばらく景色と中央線を走る列車を眺めていたいところです。 鉄道写真を撮るには良い場所です。
少し下ったところに石仏群がありました。あまり手入れされていないようで、倒れている石仏もあります。
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すぐに国道から別れて来た車道と合流します。ここには大きな石仏が立っていました。 石仏は二十三夜供養塔・道祖神は読めましたが、あとの文字は読めません。
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静かな若神子集落です。集落内には木曽路では良く見かける水場がありました。
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旧街道が国道に合流すると、すぐ先の一段高いところに一里塚がありました。
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これは「若神子の一里塚」です。文化財指定の説明書きもありました。 国道の建設のために一部が削られて小さくなってしまっています。もう片方のは明治時代の中央線線路の敷設時に取り壊されたようです。
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その先では左に入る旧道が廃道状態になって山側に回り込んでいます。そこを入って見ると沢を渡るところの橋が落ちており、水道管だけは通っています。
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落ちた橋の向こう側を見ると石仏が見えたので、国道から迂回して行ってみると、宵待供養塔と双体道祖神でした。
旧道はその先で国道を横断して先へ進みます。
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しかし、少し先の民家の手前で行き止まりになっていました。樹木も生え、もうここは道路にはなっていないようです。
国道を進みます。
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旧カーブする短い旧道跡は緑地になっており、その片隅には石仏がありました。
その先で国道は片平橋で奈良井川を渡り、右岸側を行くようになります。橋の手前の標識には「ただ今の気温、9℃」と表示されています。 歩くには丁度良い気温です。
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その国道橋の手前で右に下りる道を行ってみると、古いコンクリート橋が架かっていましたが、その橋の先は行き止まりのような状態になっています。 辛うじて崖の中腹が狭い段になっているが、歩行者でも危ない状態で、踏み跡もありません。崩れたためにこんなに細くなってしまったのでしょう。
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かって旧街道は、この国道橋の下で奈良井川を渡っていたのでしょう。
国道の改修で橋の先の民家もこんな状態になっています。このあたりは谷の急峻なところで道路や鉄道も工事には苦難したことでしょう。
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右上の斜面に中央線旧線の橋脚を見ながら進むと、まもなく桜沢集落です。
時間は12時を回りました。
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桜沢〜「是より南木曽路」の碑

桜沢には「明治天皇小休止所跡」の碑が建てられた門構えのあるお屋敷があります。ここが旧茶屋本陣のようです。 その向かい側に山の斜面を上っていく道があり、これが旧街道です。
上りかけたすぐのところに石仏(馬頭観音)もあり、その後ろにあるのは今は使われていない中央線旧線のトンネルです。贄川側には廃線跡も続いています。 またいつか廃線跡の探索にも来てみたいところです。
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旧街道はすごい断崖の中腹を行きます。遙か下を国道が走っています。ガードレールは無いが、雑木があるので比較的安心して歩けます。
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こんな道でも石仏があるのが正しく旧街道であることを教えてくれます。
下り坂になって畑との境に柵があるのはイノシシ避けでしょうか。
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急坂を曲がりながら下ると国道に出ました。そこには「是より南 木曽路」の碑が立っているのです。旧楢川村と塩尻の境界です。
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<平成18年4月>

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