秩父往還・仁田山峠

秩父往還といえば熊谷から秩父・甲州への道が良く知られていますが、江戸から所沢・飯能を経由して秩父に出る往還もあるのです。江戸から秩父への中山道を通らない近道なのです。
ここではその一部を歩いて見ます。
参考:歴史の道調査報告書第11集「秩父甲州往還」、   国際興業バス時刻表

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※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平16総複、第659号)


天神峠

入間川沿いに行く街道は道筋が複数あり、まず峠越えの道をたどってみます。
飯能駅から国際興業バスの名栗方面行きに乗り、原市場中学校で下車します。時間は9時20分です。中学校も授業が始まったばかりで静かです。
バス停から50mほど戻ったところに信号のある変則十字路があり、ここから今日は2つの峠越えで名栗・秩父方面へ向かいます。
仁田山越え仁田山越え

まずは最初の峠の天神峠を目指します。右側に碑がありますが道路改良の碑でした。旧道を改良してクルマが通れるようにした記念と思われます。この道は小さな川沿いに行く1車線の舗装道で、結構山奥の舗装が切れるまで民家が点在しています。(妻沢集落)
仁田山越え仁田山越え

30分ほど歩くと舗装が切れて山道に入ります。日陰の路面には雪が結構残っています。雪には踏み跡もありません。 ハイキングコースにも利用されていないみたいで荒れ気味のところもありますが、歩きにくいことはありません。
仁田山越え仁田山越え

20分ほどの登坂で天神峠です。本当に峠らしい小さな切通しの峠です。標高は350mくらいでしょう。 歩き始めた原市場は標高150mくらいですから、標高差200mを登ってきたことになります。
峠の少し手前に石仏、峠の左上には祠(天神様でしょう)が立っていました。
仁田山越え仁田山越え

峠の下り道は杉林の中の急坂ですが、沢沿いになると緩やかになります。途中の橋は危なっかしい丸太橋です。
仁田山越え仁田山越え

天神峠から下ること10分ちょっとで林道に出ました。これを右に行けば仁田山峠方向です。スタートからここまで1本道で迷うことはありませんでしたが、今日ここで始めて案内標識を見ました。 手作りのありがたい標識です。
仁田山越え仁田山越え

仁田山峠

再度登りにかかります。林道の日陰部分には雪が結構残っており、タイヤの跡もあります。 途中右側に古い石垣が山林に埋もれるようにありました。かっては何があったのだろうか。その先には1軒の家があり、人が住んでいるようです。こんな山奥なのに良く。。。
仁田山越え仁田山越え

林道を真っ直ぐ登っていくと、ログハウスのあるところで行き止まりになってしまいました。右上の方向には白いガードレールが見えるのだが。。。
100mほど戻りながら道を探すと、ありました、細い道が右に上がっています。わずかに踏み跡があるだけで目印も何もないところです。その急坂を登って行くと右下に1軒の小屋を見てすぐにガードレールのある舗装の林道へ出ます。すぐ先が仁田山峠で、時刻はここで11時になりました。
峠の表示はありませんが、標高は地形図によると401mです。かっては「武州一揆」なども通過し、急峻なところも少ないので通りやすい峠道だったようです。
仁田山越え仁田山越え

峠からは1.5車線の舗装林道になります。周囲も開け、いかにも新しい道で、両側に桜の並木になっています。このため旧道を探しながら下りますが、なかなか見つかりません。しばらく下ってから、それらしい出口がありました。それを逆行して入ってみます。
廃道状の道をたどって登って行くと、なんと先ほどの峠に出たのです。(林道に出る直前が藪越えでひと苦労する)
峠側からは写真の右下に下りるのが旧道なのでした。峠側の林道からはぜったいに道であることはわからない状態です。入口は林道に埋まったようになっていました。
仁田山越え仁田山越え

左の写真が林道の法面下の部分です。 改めてその旧道を下って行きます。上側半分はもう完全な廃道になっており、わずかな道の形状が杉の林の間を縫っているだけです。倒木も多い状況です。
仁田山越え仁田山越え

10分ほど下ると道らしいところに出ますが、クルマは入っていないようです。
仁田山越え仁田山越え

さらに5分ほどで林道へ合流です。歩きの場合、この旧道は回り道している林道よりも距離が短いのでわずか早く下れました。
仁田山越え仁田山越え

やはり舗装の道は歩きやすいです。まもなく信号機があって県道に出ました。右へ行けば秩父方面、左は飯能方面です。 バス停には鍛冶屋橋と書いてありました。ここで12時少し前となり、ちょうどよくバス停の向かいに食堂があるので昼食とします。
仁田山越え仁田山越え
<平成17年1月>


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