未開通国道 R152号線(長野県)

長野県南信地方の山中、ここに未だ通行できない区間がある国道がある。それは上田市から浜松市までの152号線である。通行できない部分は2ヶ所、大鹿村・上村間の地蔵峠と南信濃村・水窪町間の青崩峠である。 しかし通行不能区間には少し迂回するような形で林道があるので走ってみました。

<上田から茅野へ>

(写真:上田の起点と白樺湖サイドで)

国道152号線の北の起点である上田から入る。この部分は比較的国道への昇格が最近のようだ。古い地図には緑色の道で「大門街道」と記されている。
スタート地点は国道18号線の大屋交差点。上田といっても東の外れだ。ここから南に向かって行く。丸子町を通過すると少しの区間、国道254号と一緒になる部分がある。
その先、長門町に入ると道の駅「ながと」があり、一休止。ここは駐車場がすごく広い駅だ。 このあたりから山道になるが、ほぼ2車線で走りやすい道だ。大門峠(1442m)を越えれば白樺湖を左に見ながら峠を下る。途中からは国道299号と合流して茅野市街に入る。

<茅野から大鹿村へ>

(写真:杖突峠への上り口と分杭峠への上り)

茅野市街地は真っ直ぐに新道で抜け、高遠方面への道標に沿っていけば、杖突峠(杖突街道)への道になる。とっつきは新しいトンネルが完成している。
難無く杖突峠(1250m)を越え、走りやすい下りをしばらく行けば高遠町に入る。ここは小京都の町と桜で有名な観光地だが、そのまま通過する。
国道は快適な2車線で、まもなく右に美和湖を見ながら道の駅「南アルプスむら長谷」に到着する。ここはうまいパンを製造販売している。ここでしばし休憩する。
さあいよいよ本格的なやま道に挑む。山道と言っても全線舗装であり1車線部分も多いが、適当に広い部分があるから安心して走れる。
分杭峠(1430m)を越えて下っていくと途中に「中央構造線露頭部」という案内標識がある。道路からすぐだから見学するのが良い。断層がここだけ見える部分(岩石の色が左右で完全に違う)があるのだ。下りきったところは静かな大鹿村。


<地蔵峠越え>

(写真:地蔵峠と蛇洞林道の下り)

いよいよハイライトの一つ目の国道の未開通部分である地蔵峠へ向かう。峠越えの道はほぼ1〜1.5車線だが、舗装状態は良いので安心できる。対向車も本当に少なく、この日は2台だけすれ違った。
国道は地蔵峠(1330m)までだが、道はそのまま違和感無く林道に続いている。峠から上村側を見ると急斜面の断崖になっている。この地形ではそのまま道路は絶対造れないほどの急斜面だ。そのためここからは東側の尾根の肩を一旦上ってから峠のふもとまで下りる蛇洞林道を迂回することになる。 林道はカラ松林がきれいな高原を回ってから下ってゆく。峠に挟まれた大鹿村も上村も標高は600〜800mの高原であるから峠道もそれほど長くは感じられない。
下り切ったところで再び国道152号に合流するが、そこには「三遠南信自動車道」の矢筈トンネルが飯田方面の近道として口を開けている。トンネル部分だけの高速規格の道路が無料開通しているのだ。
152号線は快適な2車線となって上村の宿を通過する。

(写真:上村・南信濃間と南信濃村和田宿)


<兵越え(青崩峠)>

(写真:国道の行き止まり方面分岐と水窪への下り)


さらに国道を南下し、水窪町へ向かう。南信濃村の宿の先で左折、国道152号は青崩峠方面への登りになる。上りかけてまもなく右に曲がる1車線道路が行き止まりの国道152号だが、今回はそのまま兵越え林道に入って行く。 兵越え峠も本来の青崩峠よりも標高は高い。林道は相変わらず1〜1.5車線の道、雨上りのせいか落石の小石が目立つ。このため岩石を踏んだためか下りにかかったところで前輪がパンクしてしまった。 (あとで修理に出したが横に亀裂が入っているのでタイヤは修理不能だった)
応急用のタイヤに交換して、まもなく下りきるとまた「三遠南信自動車道」の草木トンネルが現れる。これを快適に抜けたところで再び国道152号に合流だ。
水窪の市街でJR飯田線に出会う。この飯田線はここまで国道の山ひとつ西側を走っているのだが、この水窪付近だけ152号線と併走するが、険しい山間を走るためトンネルばかりの線だ。

(写真:水窪の宿と天竜川沿いの龍山村付近で)


国道152号はこの先、水窪町から佐久間町・龍山村・天竜市・浜北市を経由して浜松に至る。
山道はどうしても時間がかかり、佐久間町に入ったところでとうに昼を過ぎ1時半になったため、ここから国道151号へ出て帰ろうかとしたのだが佐久間町の473号線が時間通行止め。そのため龍山村に入ったところで考えた末、ここで戻ることにする。水窪まで戻ったところで同じ道を帰るのはつまらないので天竜川林道越えから天龍村・再度南信濃村経由・矢筈トンネル・喬木村・松川インターから中央自動車道経由で帰宅となった。
帰りの天竜川林道は落石の多い長い道であった。また中央道では応急タイヤの前輪をかばいながらの走行になった。

◎三遠南信自動車道とは、三河・遠州・南信州を結ぶ自動車専用道のことで、現在前述の2つのトンネルが2車線で開通しているのみで、全線開通の見込みはたっていない。
いずれも一般道として無料開放されているが、原付以下は通行禁止である。

(H14年9月)



Copyright (C) 2002 JA1KLB
inserted by FC2 system