中山トンネルの話(新潟県)

<変な国道トンネル(中山トンネル)>

1995年,新潟県松代町からの帰りに不可思議な狭い国道トンネルに遭遇しました. 小千谷市から広神村に出る国道291号線は,山古志村の丘陵地帯を通って 国道252号に出る道路である.
山古志村の中心を過ぎたあたりで,「この先,軽車両のみ通行可」という標識があり,道幅も狭くなる.
そして,小松倉という集落を過ぎるとトンネルが見えてきた. 入り口には「車幅制限1.4m,高さ制限1.5m」の標識が立っている. 車を止め,トンネルに入ってみる.入り口は真新しいコンクリートであるが, 中は素堀りのままで,天井からは水が滴っている. 明かりが数カ所に見えるが暗いし,出口も見えない.
小生の車は車検証を見ると,幅1.69mとあるが,徐行でギリギリ通れるか という感じではある.しかし,行きかう車もまったく無く,全容が不明で 危険と判断し,引き返すことにしたのである.入り口前には十分なUターン 場所が用意されているのだ.
カーナビの電子地図でトンネルの長さを予測して見ると,1000mはあると思われた. この国道トンネルははたしてどうして普通車が通れない狭さなのであろうか? 普通のどこの林道でも必ず普通車は通れるトンネルなのに...
(A.Kaneko 1995/10)

<中山トンネルの改良>



上記の中山トンネルのその後の状況を見に行ってきました。
すると既に3年前(平成10年)に新しいりっぱなトンネルに変わっていました。 左の写真の右奥が旧のトンネルですから、その小ささがわかります。トンネル入り口には駐車場が新設され、旧トンネルの説明が書いて有りました。 それによると、この旧トンネルは昭和8年から16年の歳月をかけ、地元民が協力し合って掘ったものでなのである。クルマも無い時代、山古志村小松倉部落は冬季は積雪が4mにもなり、町へ出るには峠越えが困難でしばしば急病人などへの対応が出来なかった。このため数年の歳月を要して人道トンネルとして掘られた古いものなのでした。
その後、国道291号線に指定された後、平成10年、2車線の新トンネルが完成したのである。旧トンネルは通行禁止の看板が出ている。
このあたりにはこのような雪中トンネルが他にも数カ所にあるとのことだ。
(A.Kaneko 平成13年9月)



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