南北(飛騨)街道・中津川


今回は中山道の脇街道である中津川から飛騨へ向かう南北街道を歩いてみます。全行程の距離が50Kmあるため、中津川に3泊することにします。
この街道は木曽川を渡る「上地の渡し」までは2ルートがあります。まずはその木曽川まで行ってみます。
小手の木坂分岐から木曽川まで(西ルート)

最初は中津川の西の「小手の木坂」の上から分岐する街道から辿ってみます。
古い家並みが残る中津川宿から中山道を西へ向かい、2Kmほど行ったところの「小手の木坂」の上に分岐点がある。 道標や石仏のあるT字路から北方向へ行くのが飛騨への南北街道である。地元では苗木街道とも呼ばれているが、道路標識は右カーブの標識で左にゆく南北街道は認識されていないのである。
台地の上を行くので右側には中津川の街が展望出来ます。
南北街道南北街道

道なりに行くと旧国道19号線の切り通しを階段で下ります。国道により深く切り取られているためクルマでは横断出来ません。 階段の右には「加護屋」という看板の架かったお店があります。
正面の細い方の舗装路が街道です。最初は坂道の広い方を行ってしまい神社の横に突き当たってしまいました。
南北街道南北街道

少し行くと津島神社の鳥居の前に出ました。
南北街道南北街道

鳥居の前を真っ直ぐに進むと、田んぼと森の間を行くいい感じの草道の街道になります。
その街道もまもなく中央線の線路に突き当たると田んぼと住宅地で一旦消滅します。
南北街道南北街道

線路沿いの畦道から東側の踏切を回ってその先に行ってみると、街道はこのあたりを行っているのかも知れません。
南北街道南北街道

再び街道が姿を表すのはこのSカーブの下り坂道あたりでしょう。その先の県道との5差路を直進して上り坂を上っていきます。
南北街道南北街道

住宅地の中だがかなりの急坂を行きます。その先では1軒の民家に入ってしまいそうになるが、山道に入る小さな石段があるのでそこから山に入って行きます。
南北街道南北街道

少しは足跡があるのだが、こんな倒木もあり、それをくぐって行きます。
南北街道南北街道

前方が明るく見えてくるとまもなく車道に出て、それを右に下ると中津川商高のグランドでT字路に突き当たります。 「歴史の道調査報告書」によると街道はこのグランドを斜めに横切っていたようです。
南北街道南北街道

グランド沿いに北側に回り込みます。グランド東側の桜が綺麗です。
ここから草道に入ります。この草道の入口は畑のようになっておりロープが張られているのです。そのため最初は道があるとは気づかず、左50m先の車道を行ってから逆行して見つけたのです。
南北街道南北街道

その草道も100mほどで舗装の車道に合流します。
南北街道南北街道

その先、ここが木曽川に下りる街道です。
歩いた跡があるので安心して下って行きます。
南北街道南北街道

倒木も何本かあり、大きな石のところでは沢を渡ります。
南北街道南北街道

もう一度沢を渡り返すと平坦地になり、石仏もありました。しかしその辺りからは足跡も無くなり、道が特定できなくなります。休耕田もあります。
南北街道南北街道

前方には竹林があり、方向的にはその先が木曽川と予想されます。実は今回は入手したばかりのハンディーGPSを持って来ました。それの画面表示で足跡や方向が確認出来るので安心して前進出来ます。 一つ目の竹林を抜け、その先の竹林がまたすごい密林になっており、中は暗く向こう側がまったく見えません。
南北街道南北街道

でも藪にはなっていないので深く堆積した落ち葉を踏みしめながらまっすぐに50mほどで抜けると、出ました木曽川河原に。。
正面には城山、右の上流方向には旧国道257号の玉蔵橋も見えます。玉蔵橋の手前には写真では重なって見えにくいが、旧北恵那鉄道の廃線鉄橋も見えます。 このあたりは下流のダムのために往時よりかなり水位が上がっているようで、この付近には結構な砂利が貯まって河川敷が広いです。 渡し舟はこの辺りから城山の右下辺りに渡っていたものと思われます。
南北街道南北街道
現在時刻も17時を回り、中山道との分岐から1時間40分ほどの所要でした。橋か渡しがあれば向こう岸に渡ってバスで帰れれば楽なのだが。。山道を戻って、その先はGPSで近道を選んで中津川駅前まで帰ります。


中津川からの街道(東ルート)

日を改め、東側の街道は中津川宿の東町から北に入ります。
少し行くと中央線の線路で分断されています。
中津川中津川

すぐ左側にある地下道をもぐって向こう側に出ます。
その地下道には「仲仙道架道橋」と表示してあるのです。この南北街道は中仙道とも言うのであろうか。
中津川中津川

地下道を抜けて出ると旧国道257号の陸橋が見えてきます。左側には大きな門構えの屋敷があります。
中津川中津川

旧街道は陸橋と斜めに交差して反対側に出ます。そして住宅地になっている丘を越えます。
中津川中津川

その先で旧国道とは斜めに交差して、坂道を下って行きます。
中津川中津川

中津川に架かる廃線鉄橋が見えました。まもなく採石工場のあるところで廃線跡に合流します。
中津川中津川

街道はこの工場の木曽川縁あたりを通り、支流の中津川を渡って木曽川の左岸を行き、西ルートの竹林の下で西の街道と「下地の渡し」で合流していたものと思われます。今は下流に出来たダムのために水面が上昇したため、砂利の下に埋まっているのでしょう。
河川敷にある採石場と工場の間の築堤は先ほどの廃線鉄橋の続きで、昭和53年に廃止になった北恵那鉄道の廃線跡です。その先には今でも木曽川を渡る長い鉄橋が残されたままとなっています。
中津川中津川


<平成21年4月>

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