野栗峠


1年前に志賀坂峠を越えてさらに明家集落から上野村に入ろうとしたのだが、烏頭沢(うとうざわ)から先の道がどうしてもわからず、断念ぜざるを得ませんでした。今回は上野村側から逆に辿ってみることにしました。
3月に入った天候の良い日に、今回はクルマで土坂峠経由で神流町、そして国道299号で上野村に入りました。まず、旧街道の道すじを確認するために上野村役場に寄ります。 ここで上州街道の野栗峠には標識もあることが確認出来ました。


※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平16総複、第659号)


野栗〜野栗峠

野栗の入口付近にクルマをデポして、野栗川沿いに歩き始めます。
寶蔵寺の入口には大きな石碑が、その先には馬頭尊が立っていました。
野栗峠野栗峠

上野村役場教育委員会の話では峠の上り口には標識があるというので、野栗集落内を注意しながら行くと「野栗峠を経て秩父へ」と書いてある標識がありました。 その脇には古い石柱の道しるべも立っていました。 それには「右 野栗沢経埼玉県秩父・鉱山中津川」と書いてあります。奥秩父中津川へも道が通じているようです。
野栗峠野栗峠

左に入る1車線の車道を上って行くと、まもなく右側に「古道入口(1)野栗峠」の標識があります。
野栗峠野栗峠

古道に入って舗装が切れると、雰囲気の良い街道らしい道になりました。 右下には野栗集落が見晴らせます。
野栗峠野栗峠

林道を横切ります。ここはこちら側にある標識だけを見ると、林道に合流してしまいそうですが、向こう側には「村道(3)野栗峠」の標識があり、林道と直角に交わる旧街道に入ります。 この村道と言うのが旧街道のようです。道と畑の境界には鉄線の柵がありますが、これはイノシシ避けなのしょうか。
野栗峠野栗峠

落ち葉の厚く積もったいい感じの旧街道をサクサクと上って行きます。
野栗峠野栗峠

今度は林道を斜めに横切ります。向こう側に上る旧街道は狭い急斜面の危なっかしい道ですが、注意しながら上ります。 野栗峠標識(4番)も石垣の上に立っていますから、これが旧街道でしょう。だいぶ林道に削られてしまっているようです。 標識には「休戸入口」と書いてあります。休戸とは茶屋でもあったところなのでしょうか。
野栗峠野栗峠

ああっと、藪になりました。しかし通れるところを選んで50mほどで短い尾根を行く草道になります。
野栗峠野栗峠

石垣のある林の中の道です。
その先、林道に合流します。野栗峠(5)の標識が立っています。尚、この番号の付いた野栗峠の標識は地元の「森林フォーラム」の皆さんが立てたもののようです。 この標識はちょっと方向が不明確なところがあるのですが、ありがたい標識です。
野栗峠野栗峠

少し林道を上った左カーブのところに「直進 野栗峠」と「村道(6)野栗峠」の標識が有り、「村道(6)野栗峠」は山の中を指していました。しかし、その方向の山の中には道らしい跡もありません。 既に消えてしまっているのでしょうか。「凍倉」とも表示があります。
しかたなく林道を直進するとまもなく、「村道(7)野栗峠」の標識のある林道が右に分かれます。「本道」とも書いてあります。
野栗峠野栗峠

その本道を行くと今度は左側に上る標識(8)がありました。取り付け部分は急な階段(落ち葉に埋もれている)ですが、その先で道型がはっきりと見て取れます。 標識には「乃木坂」と書いてあります。
野栗峠野栗峠

うーーむ、いい感じの道です。自然石で出来た道しるべがありました。割れていますが、右ちゝぶ、左は埋もれて読めません。 厚く積もった落ち葉を踏みしめて進みます。
野栗峠野栗峠

ひっそりと石仏(道標を兼ねており、右ちゝぶ、左や◇◇ち?)があり、そのすぐ先の標識(9)でまた林道と合流です。
ここでまだ11時少し前ですが、朝が早かったので日当たりが良いところで昼食休憩とします。
野栗峠野栗峠

少し林道を行くとまた左へ入る標識が有りました。標識番号はありませんが、「牛久保」と併記してあります。
ここまでもずっと林道は舗装道路になっていました。
野栗峠野栗峠

大きな石組みの井戸みたいな物があり、水が少し溜まっています。
野栗峠野栗峠

その先も落ち葉の街道が続きます。右側の谷に滑り落ちないように注意して行きます。
野栗峠野栗峠

Z字型の急坂のカーブを上るとまもなく峠に着きました。
小さなお地蔵様がありました。峠名と共に「明家を経て秩父へ」という地元の有志の皆さんが立てた標識が有ります。
見晴らしはありませんが、標高は830mくらいでしょうか。上り口からここまで1時間20分ほどでした。
野栗峠野栗峠


<平成18年3月>

峠の先へ

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