秩父往還・山伏峠

飯能市(旧名栗村)名郷から山伏峠を越える秩父往還です。 今の峠越えは1.5〜2車線の県道になっているが、歴史の道調査報告書を頼りにして旧道を探しながら行って見ます。


※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平17総複、第339号)
名郷〜山伏峠

JR・西武線の東飯能駅前からバスで約1時間、終点の名郷バス停には9時10分に着きました。 もう少し早いバスに乗ればバスもこの先の集落まで行くのだが、まあ歩くのが目的なので。
名郷(なごう)は暮坂峠経由の秩父道との分岐点である。古そうな商家もバス停のそばに建っている。
山伏峠山伏峠

名郷から山伏峠へ向かう道は広くは無い県道だが交通量も少なく、20分ほど歩くと湯ノ沢集落。そこで県道は大きく右に迂回するが、旧街道は直に急坂を上って行きます。
集落内の桜はほぼ満開です。
山伏峠山伏峠

街道は集落を抜けると再び県道に合流するが、少し行くと左に分かれます。入ってすぐ先の右側に石仏があるところを入ると旧状の形を良く残す道で登ります。
山伏峠山伏峠

杉林の中を行くとまもなく県道の築堤に突き当たり、ガードレールの隙間から県道へ出ます。ちょっと左へ行って見ると神社がありますが、旧道はありません。
山伏峠山伏峠

逆に右に少し下ると県道が沢を横切るところがあり、そこのカーブミラーの所を沢沿いに登って行きます。 ちょっと道らしいところもあるのだが、砂防提も作られており道もはっきりしなくなります。
山伏峠山伏峠

が、少し上流を見ると、ありました沢を渡る朽ちた橋が。。。橋は完全に落ちてしまっているが、石積みの橋台は完璧に残っています。
なんとか沢を渡り、対岸に上ると道型がはっきりして続いています。 この道は通る人は殆どいないようで、荒れてはいるが歩くにはそれほど差し支えありません。
山伏峠山伏峠

その先、沢を渡る橋もあるが腐りかけているので慎重に渡ります。
そのすぐ先には街道らしい石仏が2体並んでいました。
山伏峠山伏峠

途中には山側の崖が崩れて道が埋まっているところもあり、慎重に進みます。
道も緩やかになったところで、前方を鹿の群れが横切って行きました。
県道を走るクルマの音も時々近くで聞こえるようになり、ガードレールが見えてくると山伏峠です。
山伏峠山伏峠

時刻は10時30分、峠には何もありません。 山伏峠は県道の改良工事で相当削られているようです。標高は620mくらいと思われます。旧道の入口にはロープが張られており、不法投棄の防止と思われます。
右の写真は峠から旧道を見たものです。
山伏峠山伏峠

山伏峠〜横瀬町追分

県道もここからは2車線道路になります。しばらくは街道も県道に吸収されているようです。左へ急カーブするところから街道は真っ直ぐ進んでいたようだが、崖下を覗いてみても道跡はわかりません。
そのまま県道を行くと正丸峠を越えてきた旧国道と合流します。
山伏峠山伏峠

「名栗元気プラザ」を左に見ながら下って行きます。まもなく横瀬町に入ります。山伏峠が行政境界かと思っていましたが、ここなのです。
県道脇にはザゼンソウの群生地がありました。3月が見頃とのことなので、もう紫の花は散ってしまっているようです。
山伏峠山伏峠

道端で昼食休憩をし、さらに県道を下ります。
ザゼンソウ群生地のところか、秩父からのバスの終点「松枝」あたりから旧街道は横瀬川の右岸に渡るはずなのだが、旧道は発見できずに旧正丸峠の入口まで来てしまいました。
山伏峠山伏峠

そこを入って行くと橋を渡った先に追分の道標と石仏があり、山伏峠からと旧正丸峠からの街道の合流点です。 ミツデカエデの大木もあります。
ここへ出て来たかったのだが。。。
山伏峠山伏峠

ここで12時50分、この後は旧正丸峠を目指します。

正丸峠へ
追記:横瀬町松枝〜追分

先日入口が発見できなかった追分の山伏峠側へ1週間後に行って見ました。
今回はクルマで行って、松枝バス停に駐車して探してみました。
松枝のバス停から少し県道を下ったところに対岸の集落へ行く橋があったので右岸に渡ります。すると橋を渡った少し先に横切っているそれらしき道がありました。それを上流側に行ってみると、そこにはザゼンソウの群生地がありそこで行き止まりです。(ザゼンソウの群生地は県道脇と合わせて2ヶ所にある)多分ここあたりで県道側から渡河して来ていたのでしょう。
山伏峠山伏峠

ここから横瀬川から離れるように途中小さなお宮を右に見て緩く登って行きます。
山伏峠山伏峠

趣のある集落風景を左に見ながら、山道となった街道は小さな峠を越えます。
山伏峠山伏峠

Z字型に曲がる道を下ると右に沢が見えてきます。直進は山道のようなのでその沢を渡ります。かってはここには橋があったようだが、今は石積みが残るだけなので、水の少ない沢を飛び越えます。 このようなところが2ヶ所にありました。
山伏峠山伏峠

落ち葉の堆積した道ですが、コンクリート製の標柱(文字は書いてない)もある道です。
山伏峠山伏峠

あと2つの峠状の切通しを抜けて下ればもうすぐ道標と石仏のある追分に到着です。
山伏峠山伏峠

<平成17年4月>


正丸峠へ


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