志賀坂峠上り


いよいよ上州街道もハイライトである志賀坂峠越えに挑戦です。 秩父駅に8時20分に着いた電車から、西武バスに乗って小鹿野役場前、さらにバスを乗り継いで、終点の坂本には10時少し前に到着です。


※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平16総複、第659号)


坂本〜志賀坂峠

坂本でバスを降りたのは私ひとり、静かな坂本集落は桜が満開でした。
宿の出口で旧道と国道299号線が合流するところで、河原沢川の谷の対岸へ渡ります。階段で谷へ向かって下りると、そこには「八丁峠・両神山」への朽ちかけた標識が立っていました。
志賀坂峠志賀坂峠

道とは思えない護岸を歩いて少し上流に行き、石伝いに対岸に渡ります。かって新国道ができる前は登山者もここを橋で渡っていたのでしょうか、今はその橋は跡型もありません。
その先は支流を渡るコンクリートの小さな橋があり、さらに荒れた草道が一軒家の民家の裏を登っています。これがかっての街道(登山道)でしょう、民家の裏には小さな石仏もありました。
志賀坂峠志賀坂峠

民家の脇に出ると舗装の車道になります。 きれいに整えられた石仏群を見ながら迂回してくる国道に出ました。
300mほど国道を行くと、左に「両神山登山口」の標識があり、ここを入っていきます。でも「廃道」と書いてあります。
志賀坂峠志賀坂峠

まもなく小鹿野町の水道施設の建物の先で登山道と別れて右に下りて行くと、河原に突き当たります。 ここはすぐ下流に砂防堰があるため、土砂が堆積して広い河原になっています。これまでずっと街道に沿ってきた赤平川の源流です。
志賀坂峠志賀坂峠

さあ、ここから街道の道がどのように続いているのでしょうか。 道は対岸に渡るはずなので、対岸へ渡れるところを探して少し上流に行って見ます。
ちょうど水道の水源を点検している町の職員さんがいたので街道のことを聞いてみるが「峠に上るような道は無いですよ」との返事。もう町の人にも知られなくなった旧上州街道なのです。 流量の少ないところを探してどうにか対岸に渡り、左岸を見ても急な斜面ばかりです。
先ほど河原に出たところの対岸まで戻ると、小さな支流が流れ込んでいるところがあり、そこに入って見るとそれらしき道がありました。
志賀坂峠志賀坂峠

この先、ジグザグを繰り返す急な上り道が続いていました。街道発見の醍醐味です。
志賀坂峠志賀坂峠

石仏が木の根元に立てかけられていました。道型も大変にはっきりしており、雰囲気のある街道です。
志賀坂峠志賀坂峠

かなり急坂で、落ち葉が厚く堆積した道が連続します。
ところどころの道の中央に赤い杭が打ってあります。多分、地籍調査のものでしょう。赤い杭は公有地の証拠ですから、この道は町道なのでしょう。
志賀坂峠志賀坂峠

長い急坂が続いた後、少し緩やかな道になるとまもなく国道と交差します。出口には柵がしてあり、国道側から見ると資材置き場のように見える状態です。逆方向から歩いてきた場合は入りにくい感じです。
上り口には階段があり、古い標識もあります。階段を登ると旧道の道筋がその先に続いていました。
志賀坂峠志賀坂峠

標高も高くなるので、まだ周囲は緑も少ない道になります。きれいな石仏が立っていました。
志賀坂峠志賀坂峠

ちょっと危なそうな急斜面(ころぶと転落の危険があり)のところを通過すると、まもなく志賀坂峠です。
標高は880mくらいでしょうか。ベンチも何も無いところですが、北側のピークに登って昼食休憩です。 ここにはテレビの受信アンテナがあり、東京タワーからのVHFと榛名山からのUHF放送を受信して群馬県側の視聴者に送っているようです。
志賀坂峠志賀坂峠

<平成17年4月>

峠の先へ

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