保福寺街道・保福寺峠越え

保福寺〜保福寺峠まで

※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平17総複、第178号)


保福寺
12時30分、保福寺方面へ向かいます。旧街道は東に向きを変えて保福寺川に沿ったバス通りの県道を緩く上って行きます。クルマはあまり通らないので安全に歩けます。
保福寺峠保福寺峠

後ろを振り返るとアルプスの雪山がきれいです。まもなく保福寺宿の入口です。
保福寺峠保福寺峠

保福寺宿は明治に大火があったとの事で、古い町並みはあまり残ってはいませんが、戸数はかってとあまり変わっていないということです。
ここは坂道の両側に栄えた町で、少しだけ宿場の雰囲気があります。以前は道の中央に水路が通っていたそうです。
保福寺峠保福寺峠

枡形のクランクを抜けて宿を出ると右側には番所跡があり、古い石段や石垣が残されています。川の反対側には大きな参門のある保福寺があります。
さらに進むと、県道は左にカーブして保福寺峠へ向かいますが、街道は直進します。
保福寺峠保福寺峠

3〜4戸だけの勝立集落を経て山道に入ります。
保福寺峠保福寺峠

保福寺川の左岸を行くようになると、まもなく前方の大きな砂防提により完全に行く手の通行が出来なくなります。
ここまで入る人やクルマはほとんどいないようです。
保福寺峠保福寺峠

県道分岐まで戻り、大きく迂回しながら神社の参道を2回横切って峠を目指します。 路線バスも保福寺までなので、ここは長い距離を歩くしかありません。
途中で街道と出会うところがあったのですが、今回は見過ごしてしまいました。(補足参照)
さらに県道を進むとモミの大木のあるところに四賀村による「一遍水」の標識がありました。大木の下約20mのところには谷川がサラサラと音を立てて流れていました。一遍上人という鎌倉時代のお坊さんが旅の途中に飲んだ水だそうです。
街道はここへ出てきて登っていました。
保福寺峠保福寺峠

保福寺峠

この旧街道はなかなか広い道幅がありますが、歩きにくいところが多いです。このあたり、昭和58年に四賀村によって整備されたということだが、今となっては歩く人もおらず荒れているのが残念である。
保福寺峠保福寺峠

15分ほど上ると県道のガードレールが見えてきて、「歴史の道・東山道」の標識が立っていました。が、このあたり県道との取り付け道は無く、ガードレールの切れ目もありません。四賀村教育委員会で建てた木製の標識も朽ちて文字が消えかかっています。
街道はここで県道を斜めに横断しているようだが、上がり口の道がわかりませんでした。
保福寺峠保福寺峠

県道を行くとまもなく標高1345mの保福寺峠に着きました。県道分岐から2時間以上かかってしまいました。少し手前には「歴史の道・東山道」の下り入口標識が有りましたが、下を覗いてみると荒れているようです。
峠には何も無い広場があり、すぐ右上には「ウエストンの日本アルプス絶賛の地」と銘打った高台があります。
保福寺峠保福寺峠

保福寺峠〜市之沢(奈良本)まで

保福寺峠 時刻は16時50分、峠には休憩ベンチも無いし、時間も遅いので休まずに下ります。ここからは青木村に下るのですが、少しの間は地形図を見ると丸子町の行政区分になっているようです。しかし、この区間の案内標識を見ると青木村教育委員会と記してあります。比較的新しい茶色の標識です。
峠のすぐ北側に標識も有る草道の街道が下っていました。2回ほど曲がると県道に切り取られていますが、その先の道型はわかるように続いています。
保福寺峠
保福寺峠

※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平17総複、第178号)



まもなく県道脇に「峠の茶屋跡」があります。茶屋は峠では無く少し下にあったのですね。
朽ちかけた小さな標識「里山歩きのコース」のあるところから再度、街道に入っていきます。
保福寺峠保福寺峠

少し行くと「石止観音」と言う標識がありました。小さな石仏が1基有り、大きな石がゴロゴロしています。
その先で結構、土砂の流出があったのか道すじがわからない状態になりますが、「里山歩き」の標識の前を行くと道すじがわかるようになります。
保福寺峠保福寺峠

「接待茶屋」の標識が右側にあり、歩きやすい道になりました。
突き当たりに出たところは「上追分」で道しるべがあり、右へ行くのが別所道、左が浦野道(現青木村)と表示されています。今回の道すじは左です。 大きく「北向山」とも書いてあるが、意味が不明である。(その後、北向山は別所温泉にあるお寺の別名であることがわかりました)
保福寺峠保福寺峠

時刻も17時を回ったので先を急ぎます。 ちょっと草の多いところの先の「下中の茶屋跡」で県道を横切り、熊笹林の中を行きます。
保福寺峠保福寺峠

途中には倒木もありますが、まもなく県道に出て100mほど行ったところで右に入ります。この場所は「一遍水」という名が付けられた標識もあるが、どこに水場があるのかわかりませんでした。
保福寺峠保福寺峠

県道に突き当たるので、右へ行くと「清水茶屋跡」の標識がありました。
保福寺峠保福寺峠

県道が左にカーブした先で右に入る街道に入ります。 落ち葉の厚い道を行くとやっと前方が開けてきました。ホッとするところです。
保福寺峠保福寺峠

遠くに集落が見えてきました。その先で区画整理された農地に出て、本来の街道は一部消えているようです。
保福寺峠保福寺峠

「東山道入口」の標識を見ると、まもなく市之沢の集落です。かっては宿場町だったようですが、今は面影はあまり無くなっています。
保福寺峠保福寺峠
入奈良本バス停着は18時を回り、すでに終バスが行ってしまった時間となってしまった。

<平成17年4月>

補足(再訪問)

1ヶ月半後にクルマで不明な部分を再調査してきました。
前回には通り過ぎてしまった峠への上り(保福寺側)のところです。ここに峠に上る旧街道の入口がありました。根元の無い朽ちた標識が立てかけてありました。前回通った時はここに建築廃材が捨ててあり、街道の入口とは思えない状態でした。しかし藪が深くて入れない状態です。下側の方はどこに出てくるのかわかりませんでした。
右の写真はそこの県道カーブから峠方向を見たところです。街道の道すじはここから「一遍水」のモミの大木のあるところに出るようです。
保福寺峠保福寺峠

<平成17年6月>



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