秩父往還・大滝1(秩父湖〜落合へ)


三峰口駅 秩父往還、それはかって秩父経由で武蔵国と甲州国を結んでいたマイナーな旧街道だ。今回、「歴史の道調査報告書」をたよりに果たしてその道をたどることが出来るのか、一部を歩いてみた。
雁坂峠方面は日帰りでは難しいため、三峰口駅から秩父湖付近を探索してみたのである。
(写真は関東の駅百選に選ばれている三峰口駅)

参考:歴史の道調査報告書第6集「秩父往還」、  西武バス時刻表
 


※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。
(承認番号 平16総複、第659号)

麻生〜大久保

12月のある日、三峰口駅に着いたのは11時で、バスに乗り継いで秩父湖バス停には11時半となった。 バスを降りると、パンを焼く香りがしたので、思わず昼食用に買い、歩行者用のトンネルを抜けた先の秩父湖を見下ろす展望広場でお昼だ。
さて、展望広場からさらに上に登って旧街道を探します。多分、秩父ユースホステルの前の道がそうでしょう。少し逆行して麻生集落に加番所跡があったので、ここをスタートして東に向かいます。この付近は傾斜地にある集落で、畑などは段々にせず、傾斜のまま耕して耕作している。車道はすぐ先でY字路になり、右に下がっていくのは県道で秩父湖バス停方向に行くが、左に上って行くのが旧街道と思われます。
秩父往還秩父往還

秩父ユースホステル(現在は秩父レイクビューホステル)前あたりの道は平坦になっており、昔(*十年前くらいにユースに泊った時)ここは線路道であったような記憶があるのだが、説明板には水路敷きであった旨、書いてある。右下には秩父湖が望める。
秩父往還秩父往還

その平坦な道が秩父湖から上ってくる車道と合流するところで発電用水路管の先に続いている山道に入ります。旧街道の雰囲気になってきました。
右にダムを見降ろしながら少し行くと杉林の中に入る。杉林の中は日差しが通らず暗っぽい道になるので、ちょっと不安気味にはなる。
秩父往還秩父往還

まもなく神社の前を過ぎれば見晴らしが開け、ゆるい坂を下れば大久保の集落に入る。
秩父往還秩父往還

集落内の道を進むと右に分かれて下る道があるので入る。
尚ここまでもこの先も、行き先の案内標識はまったく無いので、地図を見ながらのウオークラリーのようだ。地図読み力が試される。
秩父往還秩父往還
大久保〜落合

この先は1車線の舗装道になっており、下りきったところで県道に合流し、再度ゆるく上ってゆく。 途中に観光用の休憩施設みたいな建物があったが、鍵がかかっている。
秩父往還秩父往還

少し行くと公園と神社があるところで道路は左に大きく曲がる。ここで曲がらないで直進するような感じで細い道がガードレールの手前を下に下りている。これが今は作業道のようになっている旧街道だ。
秩父往還秩父往還

最初のうちはほぼ等高線をたどる普通の山道だが、だんだんと険しくなり、崩れたところや道が消失しているようになる。 でもそれは部分的なため、ちょっと探せばその先には道が現れるのだ。ただ、急斜面の道の無いところは滑らないように慎重に進む必要がある。
秩父往還秩父往還

道スジが途切れて不安になることもあるが、木々に隠れて見えないが左下の国道を走る大型トラックの音だけは切り無く聞こえているので、少しは安心できる。
道の脇には石積みの炭焼き釜の跡みたいなものも有り、何回か曲る急坂で下るようになると、国道もすぐ左下に見えるようになる。
秩父往還秩父往還

国道との合流に近いところは道筋こそわかるが、ほとんど廃道状態になっている。
国道に下りればすぐに落合の交差点で、右は秩父湖(旧国道)左は秩父方面である。この国道付近での旧街道の道筋は不明であるが、歩くのは国道を左に行って橋を渡る。旧街道は大滝村役場のある宿の先で左の山へ上り、杉ノ峠を越えてゆく登山道があるのだが、林道も出来ているため詳細は不明だ。(現在、落合側から杉ノ峠に上る道は木材伐採作業のため通行止めになっている。)
秩父往還秩父往還

麻生集落をスタートしたのが12時半で、落合着が14時前だから、ここまで結構早く歩けた感じだ。
この部分の秩父往還、特に見る遺跡も無くただ街道を歩き通したというだけだったが、道を探しながら迷わずに歩けたという満足感はあった。


<平成16年12月>

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