三国街道・湯沢

湯沢〜三俣宿
三国街道の越後側の旧道を探すべく、まず湯沢町役場と湯沢駅構内の観光協会を訪ねて関係する案内書や地図を手に入れる。それによると一部にトレッキング湯沢Uというハイキングコースが設定されており、旧街道をたどれるようである。
前回、三国峠を歩いたときは新幹線で湯沢に入ったが、今回はクルマである。
JR上越線の越後湯沢駅南側の踏切は「三国街道」と名が付いている。面影こそ無いが、まさしくここが旧街道である。さらに道なりにその県道を上って行くと路肩に「旧三国街道」という標識が建っていた。 道路も幅が広く改良されて、多少は付け替えされていると思うが旧街道なのであろう。
しばらく行くと国道17号線に合流し、国道は大きくカーブして登って行くが、旧道が急坂で短絡するように残っている。そして芝原トンネルの手前で峠に上る旧道が左に登っている。狭い舗装路だが勾配は緩いので、それほど古くは無い旧道と思われるが、途中の見晴らしも良く芝原峠を越える。峠には荒戸城跡の標識がある。
湯沢の踏切を渡ってしばらく行ったところに、三国街道の標識があった
芝原峠からの展望


脇本陣の残る三俣宿 峠を下り、国道には出ないでそのまま旧道を進みます。そして国道の下をくぐると三俣宿だった。
ここはスキー旅館なども多くあり、かっての街の賑わいが感じられます。街道に面した脇本陣は池田家旅館として保存されており、今はその裏で新しい池田家旅館が営業している。 近くにはいまどきの「街道の湯」という日帰り温泉もある。

二居峠

二居峠地図 その先、旧三国街道歩きは車の十分な駐車スペースがある貝掛温泉口から始まります。 観光案内書によるとここから火打峠までの旧街道がトレッキング湯沢Uというコースで設定されている。また中部北陸自然歩道にもなっているようだ。
最初は砂利道だが小さな橋を渡るとコンクリート舗装の1車線となり、途中まではクルマも入っているようだ。二居峠方面への標識も完備されているので安心して歩ける道になっている。
貝掛温泉口

※この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものである。(承認番号 平16総複、第410号)


中の峠への登り中の峠茶屋跡

途中、ここが二居峠かと思ってしまうような中ノ峠茶屋跡があり、ここから一旦下ると石畳の形跡も少し残っています。この先あたりからは良く整備された芝生のような草道の上りで、勾配もそれほど険しくは無いから歩きやすい。
中の峠の南側に少しばかり石畳の形跡が残っている二居峠への草道の登り

二居峠にはあずま屋があり、南側の二居宿方面がすぐ下に展望できる。昼食休憩には良いところだ。尚、この峠の上下には水場がまったく無いのが難点だ。
峠のすぐ下で路肩が崩れて危なっかしいところがあるが、あとは二居宿集落まで涼しい林間の道をジグザグに、草や落ち葉を踏みながら下るだけだ。
二居峠二居峠
二居宿〜火打峠
峠から30分ほど下れば二居集落だ。
二居もスキーのメッカだが、6月の季節は閑散としている。街も宿場というイメージは今は無いが、本陣の富沢家旅館が保存されている。
宿を出たところには新しい日帰り温泉「宿場の湯」が建っているが、そこがY字路になっており、道標が国道は右、自然歩道は左の砂利道を指している。
二居宿本陣左へ分かれるのが自然歩道(三国街道)

山鳥山公園の復元された石畳 この自然歩道を行くのだが、林の中で何も無く結構な距離もあり、疲れたところで山鳥原公園に出る。そこには幅の広い石畳の道が約500mほど復元されている。ここにある石畳はあくまでも公園内のものであり、旧三国街道とは違う、という公園管理人さんの話でした。このビジターセンターでは休憩が出来るが、売店は無い。

国道に出てまもなく左側に元橋茶屋跡の説明版が建っている。かってはこのあたりで街道が国道と合流していたようだ。
そして左側に登山者用の駐車場を見れば国道は火打峠でまたトンネルに入るが、街道歩きはここまでとする。
ちょうど峠にある三国小学校前のバス停で帰りの湯沢駅行きのバス13:55発を待つ。
中部北陸自然歩道国道沿いにある三国街道の元橋茶屋跡・正面が火打峠
本日の歩行は3時間約10Kmであった。

<平成16年6月>

資料協力:湯沢町観光協会

芝原峠の旧道(追記)
芝原峠地図
※この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものである。 (承認番号 平16総複、第410号)

前回、芝原峠はクルマで行ったのだが、町役場の話だと今の旧道は旧街道では無いとのことを聞き、今回は徒歩で歩いてみた。
湯沢駅から苗場行きのバスに乗って「芝原バス停」で下車する。そこには国道に陸橋が架かっているが、この橋に接続する前後の道は旧三国街道である。 今の国道は勾配を緩くするために曲がりくねって芝原トンネルに入って行くが、旧街道はほぼここまで真っ直ぐ登って来ている。
陸橋の峠側はその上の国道まで草道となっており、国道に出ればすぐに芝原トンネルの入口だ。
芝原峠芝原峠

芝原トンネルの入口から左に登って行くのは芝原峠への旧道である。正しくは旧国道17号線でしょう。 そして、右側へも細い道が登っているのである。これを入ってみるが、すぐに行き止まりになってしまう。 う〜む、このあたりから近道のような形で峠に向かう旧街道があると言う話なのだが、見上げると何としても急な斜面だ。。。
しかし、斜面の杉林は下草が刈り込まれており、その林の中を少し登ってみると、ありました苔むしたコンクリートの橋 と前後に道と思われる跡が。そして道跡をたどって行くと2回ほど曲がった先が背丈ほどの草木に覆われて行き止まり。う〜む、通り抜け出来ず残念。

芝原峠芝原峠

まさしく廃道とはこんな状態なのだ。途中だけだが下草が刈り込まれているので道とわかる状態だ。
トンネル入口まで戻って、舗装された旧17号線で峠を目指す。
芝原峠芝原峠

峠の上から下側を見てもどこに街道が出て来るのかまったくわからない。
芝原峠の南側には荒戸城跡があり、その外郭の説明板を見ると旧三国街道が描かれている。その説明地図もわかりにくい描画なのだが、急な階段を上がってみるとそこには平坦な道があった。これが街道なのであろうか、しかし三俣側は藪に覆われているし、湯沢側へも少し行くと行き止まり状態である。(車道へ下りる階段はあるが。。)旧17号線とは前後とも階段で接続になっているので、ここもどのように街道と接続するのかはわからない状態だ。
芝原峠芝原峠

芝原峠を三俣宿方向へ下ります。道端には石仏が立っており、道は左に大きくカーブするが、新しい車道の造りだ。おそらく街道はこのあたりから最短距離で下へ下りているのでしょうが、道跡はわからない状態である。
さらにヘアピンカーブを曲がってしばらくしたところに左に分岐する道があり、すぐ先は雑草に覆われている。これが街道かも知れないが雑草が深くて入ることは不可能な状態だ。(左の写真)
右の写真はその出口だが、私有地みたいな建物に続いている。
芝原峠芝原峠

国道に出たところにはバス停「八木沢口」があった。しかし駅に戻るバスは行ったばっかりのため、待合所に表示されていたタクシーに電話すると10分くらいでクルマが来たので湯沢駅に戻る。

資料協力:湯沢町教育委員会・湯沢町観光協会

<探査日:平成16年9月>


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