いよいよ笹子峠越えです。
<笹子峠上り>
笹子宿は国道に面しているためか、街道の面影は無い。
笹子駅を左に見て国道も徐々に登り坂が増して来てまもなく笹子峠への分岐に差し掛かる。歩き始めてからここまで食事休憩を入れて約2時間半だ。
ここからは登り坂の連続でジグザグ上りだ。路線バスの終点を過ぎると人家も無くなり、森林に囲まれた旧道をひたすら歩く。この笹子峠越えの道は昭和33年に新笹子トンネルが開通するまでは国道であったが今はクルマもほとんど通らない。途中では昭和初期のコンクリートの手すりが崩れそうな橋を渡り、分岐から40分ほどで「矢立の大杉」への入口に着く。
大杉を経由する道はまさに旧甲州街道であり、やっと旧甲州道の標識も出てきたが、自然遊歩道という表示にもなっている。途中には「明治天皇休止所跡」などがある。
<矢立の大杉>
大杉は幹周り最大9mと大きいが、また中が大きな空洞になっており根元から人が数人入れ、中に入れば途中で折れているため中から上空が見える。しかし大きすぎてカメラには全体が収まらない。そばに屋根付きのベンチがあるので一休止だ。
<笹子峠>
この先はすぐに旧国道に出て、しばらく舗装道路を行けば旧笹子トンネルである。
昭和13年完成で、下の新笹子トンネルが開通するまで重要な役割を果たしたレンガ製の隧道で、登録重要文化財に指定されているという標識が建っている。
出口が見えるほど短いトンネルだが、トンネルは通らずにさらに上の笹子峠を目指す。
写真のトンネルの右の急な山道を直に登ればまもなく峠に達する。
峠の標識も無いが正に峠という感じだが見晴らしは無い。しかしさらにそこから右側にロープを伝って登る登山道方向を示した「本笹子峠へ」という小さな標識があった。登ってみたが只の登山道だ。
どうやってここに運んできたのか使われないコンクリート電柱が1本横たわっていた。(写真下部)
<笹子峠下り>
さあこれからは下りだ。少し行くとトンネルの出口より少し先に出る。すると向こう側のガードレールの切れ目に「甲州街道峠道」と書いてあり、そこを下りてゆく。この道はハイキングコースとして概ね旧街道を行くようだが歩きやすいように結構コースは変えてあるようだ。
大和村側の旧甲州街道は地元により整備したようだが、歩く人が少ないためか荒れている部分もある。
途中、コースから外れたところに紛れも無く廃道となった形跡(石垣など)の旧街道が見られる。沢を渡る橋なども無くなって築堤だけが残っているところもある。
<駒飼宿>
旧街道が整備されているのは途中までで、あとはひたすら旧国道を歩く。峠から2時間ほどで駒飼宿へ着く。
ここは本陣などは跡の碑だけだが旅籠屋と思われる旧家はいくつか綺麗に残されている。
あとはJR甲斐大和駅から帰途に着き、今回の旅はここまでとする。
<平成16年5月>