鎌倉街道・御坂峠


石畳 鎌倉街道というのは関東周辺にはいくつもある古道であるが、ここは甲州から鎌倉に向かう道で、比較的最近まで利用されることが多かったのか、道筋が良く残されている。この峠越えの道を河口湖側から御坂町まで歩いてみた。
 

御坂峠上り(河口湖町)

富士吉田駅にはJRからの直通電車(115系3輌編成)で9時半に着き、駅前から甲府行きのバスに乗り三つ峠入口で降りる。ここが国道の新御坂トンネルの河口湖側入口なのだ。三つ峠などの登山口でもある。
また旧国道(旧御坂トンネル)との分岐点でもある。既に中型バスで来た30名くらいの団体登山者(黒岳登山と書いてあった)が登る準備をしていた。
御坂峠御坂峠

この旧街道はいきなり急な坂道が連続する。ここでもやはり砂防提により旧道が消えて迂回路を通るところがあるが、概ね街道的な道幅はある道だ。
御坂峠御坂峠

また写真のように路面が崩れたために上側に迂回路が設定されているところもある。
御坂峠御坂峠

高度が上がるにつれて周囲が熊笹に覆われてくるあたりで富士山が見えるようになる。平坦なところは無く、ほとんどが急坂のため、途中の岩に腰掛けて富士山を見ながらの休憩だ。おにぎりを食べ終わったところで後から登ってきた団体さんに先に行かれてしまった。中年の人たちなのだが休憩無しで一気に峠まで行くようだ。
御坂峠御坂峠

峠近くの少しの間、道が草木に覆われているところがあるが、そこを過ぎれば峠に到着だ。時間はまだ12時少し前だ。
御坂峠御坂峠

峠にはベンチと峠の茶屋があるが営業はしていないようだ。団体さんもここで昼食や写真を撮っていたが、まもなく黒岳方面に登って行って、静かになった。富士山を入れた峠の写真を撮りたいのだが、逆光のため富士山が消えてしまいます。峠の標高は書いてないが、1500mくらいと思われます。
一段下にも平らな草地があり、かっての茶屋か何かがあったのでしょう。またこの峠を挟んで東西700mが空堀のある「御坂城跡」だという。
御坂峠御坂峠

御坂峠下り(笛吹市)

さあ、ここからは下りなので楽です。あたりは枯葉も落ちて見通しの良い気持ちの良い林の下り坂が続きます。 この峠近辺は山梨県の「峠道文化の森」に指定されている。(画像をクリックすると拡大表示します)
御坂峠御坂峠

左の写真は多分旧道跡と思われますが、歩きやすいところに道跡が出来ていました。
その先には短い区間だが石畳もあり、手入れはしてない元のままの姿と思われます。特に何も説明書きはありませんが、これがこの峠道の最高の遺跡でしょう。
御坂峠御坂峠

かなり下った地点に「行者平」というのがありましたが、石仏があるだけでした。昔、行者が修行をした場所のようです。また沿道には不思議な形をした大木が何本かあります。
御坂峠御坂峠

道が緩やかになったその先に逆ト字路のようなところがあり、普通は左に行って沢の向こう側の林道に出るようですが、見た状況では真っ直ぐ行くのが旧街道の様相です。いちかばちかそちらに入って行きます。
しかしまもなく、杉林の中で道跡がはっきりとしなくなるのです。そこを何とか先の道筋を探しますと、おっ、ブリキ板で出来た「御坂峠→」の標識があるではないですか。これこそ旧道なのですね。道筋らしいところを探して下ってゆくと支柱の無い標識だけが地面で朽ちかけているのもあり、沢の脇には流れの向こうを指した「←藤野木」の標識もあったのです。道跡も消えたところに良く標識だけが残っているものです。うーーむ、これこそ廃道探索の醍醐味かも知れません。
御坂峠御坂峠

橋がかかっていた形跡もわからない沢を石伝いに飛び越えて対岸に渡りますが、その先も道跡はまったくわかりません。落ち葉の中を下流側へ行っても砂防提があって進めません。しかたがないので急な斜面をよじ登って上の林道に出たのです。
御坂峠御坂峠

この林道も旧街道なのかも知れませんが、まもなく藤野木集落が見えて国道に出ました。 時間はまだ1時30分、この先も旧街道をたどります。
御坂峠御坂峠

<平成16年12月>

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