三国峠越え

浅貝〜三国峠 (浅貝付近はその後、再調査しました。こちらで

旧三国街道の三国峠を新潟県湯沢町側から越えてみました。
上越新幹線で越後湯沢へ着き、駅前から8:20発の浅貝経由・苗場ホテル行きのバスに乗ります。6月の平日とあって乗客も少ない。これで約40分の乗車で浅貝上のバス停で下車すれば三国峠に一番近いのだ。バスはそこでUターンして苗場のホテルへ向かって帰って行った。
浅貝宿は昔の面影はまったく無く、スキー関係の旅館やホテルだけが目立つが、今の季節は人影も少ない。

<三国峠上り>
バス停からは国道17号線を歩いて南へ向かいます。国道は少し行くと歩道は無くなるが、路肩が広く交通量も少ないので安心して歩行出来る。また雪囲いのあるところはちゃんと歩道が造られている。 国道も峠道が長いためか、また冬以外はスキー場くらいしか無いためか三国トンネル越えのクルマは少ない。
旧三国街道は三国トンネル入口のすぐ左側を登ってゆく。上り口には標識もあってわかりやすい。
三国トンネルも開通したのは昭和32年であり、意外と新しいのですね。
三国峠トンネルへ向かう国道17号線三国峠への上り口

旧街道はつづら折れの急坂で石がゴロゴロしている歩きにくい道だ。また所々に石畳が露出している。 途中では湧き水で喉を潤しながら、30分ちょっとで三国峠に到着する。
峠には標高が表示されていないが1200m余のはずだが、小さな三国権現神社やベンチがある狭い峠だが、三国峠を越えた有名人の名が碑に刻まれている。それによると、古くは平安時代の坂上田村麿から、上杉各氏、越後の各藩士、伊能忠敬・良寛・与謝野昌子・直木三十五・川端康成・北原白秋、等々の名前が記されていた。
南側だけ展望出来る場所が有り、国道17号線がはるか下を下っているのが小さく見える。 尾根を少し三国山方面へ登ればもっと見晴らしがよさそうだが、ここでは少しだけベンチで休んで下ります。
三国峠への上り三国峠

<三国峠下り>

三国峠を下る 標識の完備した旧街道を永井宿に向けて下ります。しばらくは緩いアップダウンのある道で、所々に谷に落ちる小さな滝を見ながら雑木林の中の涼しい道です。国道よりも結構高いところなのだが木々が茂っているため見晴らしが効かないのが残念。ここで峠越えでただひとりのハイカーとすれ違う。
途中、長岡藩士が雪崩により遭難した墓を見て、三坂茶屋の跡に差し掛かります。この茶屋跡には説明板とベンチがあるのみで、ここで小休止とし昼食とする。
ベンチは柱ほどの木材で造られている頑丈なものが街道の500mおきくらいに設置されているが、深い雪が横から押すためか、斜めになってしまっているものが結構ある。
まもなくあづま屋のある大般若塚。ここには当時、幽霊が良く出るため、その供養のために塚を建てて供養したという話が説明されている。
ここは十字路になっており、猿ヶ京への近道と法師温泉への道が左右に分かれている。

三国峠を下る三国峠を下る

三国峠を下る この先、結構急でジグザグな下り坂になり、そろそろ下りきるかなあと思っても道は続きます。とにかく下界が木々に隠れて見えないので、標識にある距離の表示がたよりです。


でも徐々にクルマの音が近くに聞こえて来るようになればまもなく国道に出ます。 国道に出てから200mくらいで右に下がればすぐ永井宿に入ります。峠からは約3時間の長い所要時間である。
三国峠を下る国道へ一旦出る

永井宿〜猿ヶ京
<永井宿>
国道のすぐ下に位置する永井宿はひっそりとした集落。 本陣は既に無く跡しか無いが、数軒の古いつくりの民家が坂道になっている街道の両側に点在している。
宿の出口のところには郷土資料館がある。ここからも猿ヶ京方面の標識をたよりに旧街道歩きを続けます。
永井宿永井宿

<永井宿から猿ヶ京へ>
永井宿の郷土資料館のところで左に入り、旧街道を進みます。舗装された林間の遊歩道を行くと国道に出るが、すぐ右側の小さな峠を通るのが旧道。国道の反対側にトラックドライバーのための無人休憩施設があるので、自動販売機の飲料やカップラーメンが利用できる。
この後は夏は暑いが明るい田園の中を歩きます。 吹路集落(吹路宿)で旧家の点在するところを行くとまた国道に出るが、すぐに旧道が右側に下りている。
涼しい林間の道の入口には若山牧水の小説(みなかみ紀行)を引用して小話が説明してある。 その道を谷まで下ってまた登ればまもなく、猿ヶ京温泉の西の入口だ。
途中の小川のほとりに水車小屋があるとのことだったが、わからなかった。
永井から猿ヶ京へ永井から猿ヶ京へ

このあたりは宿の中心から離れているが、古い旅籠らしい民宿が街道の両側に点在し、常夜灯や水車小屋なども復元されており、なかなかいい雰囲気がある。
吹路から猿ヶ京へ猿ヶ京
<猿ヶ京温泉>
その先で国道と合流して旧宿街になるが、ほとんど只の温泉街である。唯一、関所の藁葺き屋根の建物がホテルの前に保存されているが、今日は休館なのか門が閉まっている。
ここで時間も15時をまわり、この先国道を行っても見所は無いと判断し、今日の歩行はここまでとし、バス停で待ってJR後閑駅までのバス客となる。
猿ヶ京で国道と合流猿ヶ京

<平成16年6月>




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