甲州街道2

犬目越え
旧甲州街道の面影のあるところの山梨県上野原町から大月市鳥沢までを歩いてみました。

上野原宿 <上野原宿>
JR上野原駅に10時過ぎに着いた中央線電車を降りる。この駅は今まで何回も電車で通過しているが降りるのは初めてだ。この駅は急斜面にあるためか島式ホームの中央に改札口があり、階段を上がって山側に出るとバス停だけがある狭い駅前だ。旧甲州街道の通っている市街地は丘の上にあるため道路も遠回りをして坂道を登ってゆく。登り終えたところでわかったのだが歩行者用には近道の階段があるのだ。
市内まで約30分ほど歩くと国道20号線である旧街道に当たる。上野原には国道バイパスが無いため結構な交通量があり、商店街になっている旧街道の面影は少なくなっている。

鶴川宿 <鶴川宿>
実は上野原宿を抜けるのに間違って小菅方面への道に入ってしまい、1時間近くウロウロしてしまった。旧街道の道は国道20号線の坂を少し下った歩道橋のあるところを右に入れば旧街道の案内板があるのだ。
その案内板を見て県道を少し行くと眼下に鶴川宿が見えるようになり、ヘアピンカーブを曲がって橋を渡ったところにある旧宿の案内板を見ればすぐ先である。 宿はクルマの通りも少なく古い町並みの残る旧宿である。しかし、出口の曲がり角での案内標識が無く、そのまままっすぐ行ってしまうのは街道では無く、路地のようなところを左に曲がらなければならない。砂利道が50mほどあるが、すぐに舗装道路に当たり、道なりにゆるい坂道を登ってゆく。
しばらく歩いてゆくと途中に一里塚の標識があるが、それらしいものは見えない。
鶴川宿

中央道 <現在の甲州道>
旧街道はほぼ中央高速道路と平行している。特にこのあたりでは接近しているため旧道が中央道に埋もれてしまっているところがある。写真のように側道になったり、架道橋を通って縫うように歩くことになる。 旧道、県道、国道、高速道路と、ここでは4つの甲州街道を見ることが出来る。
道が中央道の南側に変わって少し行くと大きなクヌギの木のある一里塚を通過、地名も大椚になっている。

野田尻宿 <野田尻宿>
しばらく中央道の南側の側道を行くと「長峰砦跡」という説明板があり、さらに「右 野田尻宿」の案内が出てくるので架道橋で高速を北に渡れば野田尻だ。ここもなかなかの雰囲気がある宿で旅籠屋風の建物がいくつも現存している。新談合坂サービスエリア(下り専用)のすぐ北側に当たる。
宿を出たところの寺の脇の坂道を登っていけば、中央道の上を渡って旧道そのままの砂利道が少しあるが、またすぐに舗装の県道に出る。
この先の山の中腹に「荻野の一里塚」という案内板があったが、どこが塚なのかわからない。塚の残っているところは少ないようだ。
野田尻

犬目峠 <犬目峠>
また中央道の側道になって談合坂上りサービスエリアが見えたところの矢坪橋で中央道の北側に移り、「矢坪坂の古戦場」の案内があるところの旧道を登ってゆく。途中、道端の民家で大きな犬を飼っており、すごい剣幕で吠えられるので注意が必要だ。
この旧道は道も細く結構な坂道だが展望も良く、中央道や上野貯水池、上野原の町などが遠望出来る。標高は5〜600mはあるようだ。途中の道端には湧き水も出ている。
旧甲州道
坂を上りきったところが新田集落で、ここが犬目宿かと思わせる雰囲気があり、宿場町では無いが旧旅籠が残る静かな集落だ。
新田

犬目宿 <犬目宿>
新田から10分も歩けば犬目宿。家は建て替えられているのが多いのでちょっと残念。あまり見所は無い。
峠はどこなのかわからないが、犬目宿からは道が下りになる。途中富士山も薄く雲の中に見え、恋塚という一里塚を見てまもなくちょっとした集落の旧道に入る。旧道は民家の庭先のようなところをまっすぐ抜けた先、林の中を下るところに石畳があるのだ。数10mの長さしかないが貴重な存在である。
石畳
また県道に出るとまもなく大月市に入り山谷のバス停がある。今日も結構坂道を歩いたので足が痛くなり、バスの時刻を確認するもバスは無し。下り道はあまり見所も無く、ヨタヨタと重い足で16時30分、上り電車が出たばかりの鳥沢駅にたどり着く。

<平成15年12月>

鳥沢宿
鳥沢宿
山梨県大月市鳥沢、旧街道が峠を下って再び国道20号線となるところ。ここは中央線の鳥沢駅前。

<平成11年10月>



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