越後街道・束松峠

天屋・本名宿(会津坂下町)

※掲載地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の2万5千分の1地形図を複製したものです。 (承認番号 平16総複、第468号)
越後街道地図2
天屋・本名宿の手前にもちょっとした上り坂があり、旧街道はここでも近道をしている。 距離50mも無い草道を登れば県道に再度合流して宿に入る。
束松峠束松峠

宿は道路の右側が天屋で左側が本名と言う宿場。静かな町並みが続いている。天屋側に1軒だけあった商店で飲料水を購入する。ここから野沢までは売店は無さそうだ。
束松峠束松峠
束松峠上り(会津坂下町)

宿のすぐ外れで急な草道のY字路の上り坂になる。左が街道で右へ行くのは新道(草道の車道)と書いた標識がある。 振り返ると宿の見晴らしが良い。時刻は11時20分、少し早いがついでにここのあぜ道で昼食とする。
束松峠束松峠

ススキの綺麗な旧街道を上ってゆくと、新道も合流して広い道になり、大きな松の木が見えてくる。これが束松だろう。 地名の由来になった束松だが、今は道端で見られるのはこの1本しか無いみたいである。傍らの説明書きには4本とあるが、最近になって他のは枯れてしまったようだ。ここにあるのも根元の分岐の2本が切られていたが、上のほうで3本に分かれている。
尚、束松(たばねまつ)とは1本なのに複数の松を束ねたような形になっているから付けられたとのことである。
束松峠束松峠

紅葉の綺麗なところを行くと、石畳の標柱があった。敷き石が所々に露出しているがほとんどが土や落ち葉に埋まっているみたいだ。やはり旧街道に石畳があるのはいい雰囲気になる。標柱には「高寺ふるさとを興す会」と記されている。このような地元の方々の努力があるので我々観光客は楽しい旅が出来るのだ。
束松峠束松峠

その先の正面に「地すべり跡」の説明板が立っており、街道は一旦途切れるが、左に下りる細い道があり、地すべりで出来た地割れの中の部分に続いている。この200mくらいの区間は完全に旧街道が消滅しているのである。正確に言えば道があった部分は左側の山の中腹に移動しているのでしょうが。。。
再度、階段で旧街道に戻ったところには送電鉄塔と一里塚がありました。塚は対で残っている綺麗な塚だ。 写真は振り返って一里塚を見たところ。
束松峠束松峠

松並木の道を少し行くと「孫束松跡」の標柱を見ると、切通しをはさんだH型の交差点に出る。右向こうに行くのは洞門と書いてある。その洞門は峠を少しでも通りやすいようにして街道の繁栄を得ようと地元民が掘ったものなのだそうです。
束松峠へは左向こうの道に入ります。
束松峠束松峠

「子束松」の切り株を見てまもなく峠です。峠の手前に路肩が崩れたところがありますが、余裕はあります。
束松峠束松峠

峠は茶屋跡がある広い峠で見晴らしも良く、坂下町側がよく見えます。あずま屋もあり一休止です。先ほど通った一里塚も見えます。
ここまで新道との分岐と合流が何ヵ所もありましたが、地元の皆さんが立てた道標により迷うことなく旧街道を歩けました。
束松峠
束松峠下り(西会津町)

峠の西側は西会津町と変わります。尚この先、道標はまったく無いので地図が頼りだ。(帰ってから西会津町に要望メールを送ったのだが、いまだ返事も無い)
街道は坂下町側と比べてちょっと藪になっているところがあるが、概ね歩くには支障は無い。こちら側からは4輪車も入っているようで轍が峠まで来ていました。(坂下町側は杭で車は入れないようになっている)
道なりに下って行くと舗装の車道(県道のようです)に出て、これを鋭角にして下ります。どうもこの車道が出来たためにこの先の部分の旧街道が廃道になってしまったようです。
束松峠束松峠

2万5千分の1地形図にはここの旧道も点線で載っているので、それを目安に旧街道を探します。 車道のガードレール越しに谷側を覗くと掘割状の廃道が下って行くのを発見。早速入ってみるが、雑草や倒木が多く、200mくらい進んだところで藪が激しくなり引き返すことになってしまった。
束松峠束松峠

車道を行って磐越自動車道のトンネルの上を通り、ぐるりと回って高速道の下をくぐって行き、その先で旧街道との合流部分を見ると鉄製の橋が架かっており、渡ってみるがその先は山林となり旧道の道筋はよくわからない状態になっていた。
束松峠束松峠

車道をしばらく進めば次は軽沢宿だ。 小さな集落だがバイパス道路が出来ているので良い雰囲気の集落だ。道路と並行して川が流れ、その両側が10軒足らずの集落になっている。川側の家へはそれぞれ専用の橋が架けられているのだ。何の説明書きも無いが、問屋などはあったのだろうか、わからない。
ここで時刻は13時20分、峠からちょうど1時間でここまで来た。
束松峠束松峠


<平成16年11月>

協力:会津坂下町町史編纂室 街道Web

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