1991年(平成3年)
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今回,今まで真面目に仕事ばかりしていた?私に,もっと年休を取れということ(実は節年特別休暇)
になり,しかたなく?1週間の休みをとることになった.1週間も家にいたのでは
近所から変な目で見られるかも知れないので,鉄道&パケット通信旅行に行ってみることにしたのである.
取りあえず、九州ワイド周遊券と熊本までの特急個室寝台券を最寄り駅にて取得する。シーズンオフなので宿泊予約は取らず、九州内は行き当たりばったりとします。
2月24日(日)...ブルトレに乗って博多まで
ちょっと大きめのアタシュケースにパケット通信機材とその他を入れ(スタイルとし
てはどうみても出張スタイル.リグはPC−9801N,TNC−u21,IC−u3で結構かさばる.
(このため今回はパケット通信実験主体としてカメラは無しとする)東京17:05発「はやぶさ号」B寝台個室に乗る.
この指定券は前日に駅で取れたのである.
「寝台特急はやぶさ号」の寝台は上段の部屋だったので早速パケットをセットし,モニター開始.テーブルもある
ので都合がいい.大船付近でビーコンが見えた局にコネクトしたがそれだけだった.富士駅を過ぎたあたりで眠くなってしまった.
25日(月)...筑肥線・松浦鉄道・大村線で長崎まで
翌朝は小郡付近で目がさめた.厚狭を発車したところで20分遅れているとの
アナウンス.本当は熊本から豊肥線に乗るつもりだった.しかし、このままだと豊肥
線への3分の接続には間に合いそうもないので、博多で下車して唐津方面に向かうことにする.20分遅れて9時過ぎに博多駅着.
まず駅のキヨスクで九州時刻表を買う.390円,小さいのに以外と高い.でも小さく
てポケットに軽く都合がよい.これでこれからの予定を決める自由な旅にしたいの
である.九州内の地下鉄,主要バス,船とほとんどの路線が載っている.
9時30分発の市営地下鉄に乗る。筑肥線直通の西唐津行きである.姪浜で地上に出
て10時45分唐津に着く.ここで10時57分発伊万里行きの気動車に乗り換え.
11時54分に伊万里着.九州は暖かいかなあと思っていたが、以外と寒い.待ち時間の合間に駅前の喫茶店で昼食.
12時39分発、松浦鉄道の佐世保行きに乗車.1730円の切符は自動販売機
で買う.単行のレールバスは風景のいい海岸を見ながら走る.佐世保まで2時間,
乗り通したのは私だけである.途中の車窓から見る山の日陰には雪も見える.15:05着.
佐世保15:29発、大村線の長崎行きの気動車に乗車.大村湾を右に見ながら
諌早、さらに長崎本線長与経由で長崎駅着は17:54.
日が暮れたら,そこの地で宿を取るのが私の旅だ.駅前に見えるビジネスホテル
に電話して予約し,チェックイン。(このように,以後宿泊はすべて当日か前日に駅前
ビジネスホテルを予約しながら旅行を続けたのである)
ホテルの部屋ではパケットで早速3局にコネクトし,書き込みをする.長崎レピーターでは
誰も応答してくれない.
2月26日(火)...筑豊本線,日豊本線で西鹿児島まで
長崎発07:10発のハイパーかもめ4号に乗る.やはり単線区間はスピードがいま
いち,しかし車窓風景はいい.右手には噴火の雲仙岳が噴煙もよく見える.佐賀
を過ぎてまもなく,左手に最近話題になっている吉野ケ里遺跡もよく見える.いず
れもハイパーレディー嬢がアナウンスしてくれる.鳥栖08:56着。
乗りかえようとした下りのはやぶさ号が今日も5分遅れているというアナウンス.
しかたがない、今日も豊肥線はあきらめて上りの普通門司港行きに乗る.原田
で始発の09:29の50系客車の門司港行きに乗り変える.久しぶりの50系レッドトレ
インだが乗客は4両編成全部で10名程度.築豊本線経由だがさみしい.筑豊界隈は10年以上前にSLの撮影に来ているので懐かしい.ボタ山ももうあまり目
立たないが,複々線の線路敷は当時の繁栄を物語っている.直方・黒崎間では50%位の乗車率になった.小倉駅11時38分着.
ここで明日は志布志の方へ行ってみたいと思い,ホームの公衆電話で本日の宿泊を都城に予
約し,11:52発、にちりん21号西鹿児島行きに乗車.特急だけあり乗車率は
80%程はある.しかし車両は久しぶりの485系の原型だ.乗客も途中でほとん
ど入れ替わり検札も2回あった.日向の先ではリニア浮上実験線が平行する.
それにしても飽きないものだ.時刻表を見ながら明日の予定を考える.都城の泊
まりでもいいが,日豊本線を一気に全線踏破したくなった.このため予約した都城のホテルはキャンセルすることにして、西鹿児島19:11着.
西鹿児島の駅前ホテル泊まり.できるだけ駅近くのホテルとする.散歩がてら市電にも乗る.
ここではパケットはまったくコネクト出来ず.
2月27日(水)...日南線,肥薩線で熊本まで
西鹿児島発07:42,にちりん28号で都城08:57着.なぜか待合室には
リニアカーの模型が飾ってある.駅前から鹿児島交通バス09:21発、志布志行
きJR志布志線廃止代替バスに乗車。乗客は少ない。
途中,末吉駅停車、旧駅舎はりっぱな鉄道記念館に変身している。時間があれば記念館に
寄ってみたいところだが。このバス,客も少なく道路の混雑もないのに志布志には
7分遅れで10:42着。
志布志駅もこじんまりとした新しい駅舎に変身しているが志布志線廃止による遊
休地が広く、使われなくなった信号機が寂しい。
ここからは日南線の気動車10:54発で宮崎に向かう。しばし、日南海岸の車
窓を楽しむ。途中で飫肥という城下町に駅があるが、ここも1回は下車してみたい所だ。
青島の先では歓迎読売ジャイアンツと書かれたホテルを横目に通過。そうそうこの
線はタブレット扱いもあり、信号も腕木式なのがいい。
宮崎着は13:33。ここでやっと駅弁にありつける。お茶はパック式ではない
本物のお茶である。13:52発の急行えびの4号に乗っていただくとする。えびの4号はキハ
65型の3両編成、座席は特急にちりんよりもいいやつだ。肥薩線に乗るのは3回目だ。
真幸・大畑のスイッチバックは素晴らしい。ここもいつかは途中下車したい駅だ。
途中,矢岳駅にはSL展示館がある。
人吉あたりから雨となり,熊本18:18着。急行えびの4号はこのあと博多迄
行く.熊本駅は大改築中である。九州ではこのように駅の近代化に力を入れている
ようだ。今日の泊まりは駅から5分くらいのビジネスホテル。九州に来て3泊目である
が、いずれもホテルのテレビが無料なのはうれしい。
最上階の部屋でテレビを見ながらパケット.ホテルのロケーションもいいのか,数局にコネクト
出来,RLI’BBSなどに書き込む.JG6CVOさんとはチャットも出来た.
RLIにはRAILと自分宛にメールを送る.(ちゃんとFWDされていた)
RBBSには熊本の観光案内とか本日のニュースとか興味ある内容があった.
2月28日(木)...豊肥線,久大線
九州に来て4日目.しかし,昨夕降り出した雨がまだ降り続いている.
今日は豊肥本線で大分に出て、久大本線で久留米に出てまた熊本に戻って来ること
にする.荷物はホテルに置いて持ち物は時刻表とハンディー機だけの身軽さだ.
08:34発火の山1号に乗車.豊肥線は昨年の7月豪雨の災害で,宮地と緒方間
が不通になっており,バス代行になっている.時刻表にもそのように書いてあります.
しかし私は豊肥線の代行バスの時刻が他のページに記載されているのを見ないまま急行火
の山1号に乗車.その後の車掌氏のアナウンスで緒方からの接続は同じ火の山1号では無
くその次の普通列車になることがわかったのだ.列車の接続は概ね次の1本後のダ
イヤに接続しているようだ.ちょっと遅くなるがしかたがない.
天候不良のため阿蘇高原は視界が100mくらいで雄大な阿蘇の風景は全く見えず.
宮地から代行バスに乗り換え.40人乗りのバスには数人の立ち席も出た.車窓は
相変わらず霧が深く,まったく風景が見えない.豊後竹田・朝地と停車して1時間20分
で緒方着.11:20の普通大分行きに接続.途中、竹田の先で災害復旧工事現場が
見えた.大分には結局、急行火の山1号よりも1時間ほど遅く到着.
乗り継ごうとした久大線の由布4号には当然間に合わず、次の12:56発の普通列車だ.
久大線も風景のいいところを走る.雨も小降りになる.
久留米からは有明号で熊本に戻る.急げば2分で前の有明に接続したのだが,ホームが離れ
ていたので次の30分後のハイパーに乗る.特急有明も熊本までは30分間隔なので便
利だ.でも混んでおり,次の羽犬塚まで立ち席となった.熊本18:12着.
熊本には結局3泊することにした.
3月1日(金)...島原鉄道,天草パールライン
朝,目がさめたらまだ雨.天気予報では午後は快復すると言っているが,今日は天草に
行ってみたいのだ.
7:10熊本始発、博多行きハイパーサルーン有明に乗車.出発してまもなく雨は
上がった.鳥栖でさくら号の長崎行きに乗り継いでもいいのだが,終点の博多まで行って始発の長崎か
もめに乗る.このかもめは真っ赤なボデーで、481ー003、NAGASAKI
LINE KAMOME EXPRESS/SINCE 1990,なんて書いてあ
る.外観はハデであるが、内装はあまり代わりばえはしない.
ハンディー機で439.06MHzのレピータをワッチしながら行く.広域レピータはど
こも賑やかである。佐賀付近でCQを出して国道35号線の移動モービル局とQSO.
諌早駅ではすぐに島原鉄道の加津佐行きに接続.単行のキハ2016だ.八高線の
通勤時に乗った形式なので懐かしい.ほとんど原型のままで使用されている.
途中の駅で高校生の一団がワーッと乗って来る.花束などを持っている.今日は卒
業式だったみたいだ.噴火中の雲仙岳は残念ながら頂上の部分が雲に覆われている.
(注:この旅行は雲仙岳大噴火の数か月前のことである)
約2時間の乗車で口之津着.すぐ駅の前が天草フェリー乗り場だ.島鉄フェリーの鬼池行
きは10分待ちで出発.短いが30分ほどの250円の久しぶりの船旅.船中で食事
ができると思っていたのだが売店しかない.仕方が無いので缶ビールを買う.鬼池で
下船,港前の食堂で遅い昼食を取る.この先,熊本方面の路線バスは時刻表による
と20〜30分間隔で出ているから便利だ.
バスの中では本渡レピータでQSOしたが,途中で電池切れ.どうもこのハンディー
は電池の持ちが悪い.本渡バスセンターでは熊本行きに乗り換え.天草パールライン
(天草五橋)を通って行く.天気も快復して見晴らしもいい.しかし橋はいいが,
その他を走っている限りではあまり島の感じがしない.
18時ちょっと前に熊本バスセンター着.繁華街を散歩しながら適当な電停で熊本
市電に乗り熊本駅前に戻る.整理券方式で160円を払う.熊本はバスセンターのあ
る付近がにぎやかだがJRの駅付近は本当に寂しいところで,駅舎の改良に期待
したいところだ.熊本は九州の真ん中に位置するので九州観光の拠点としても便利だ.
3月2日(土)...肥薩線,鹿児島本線
今日は九州旅行最後の日.天気は快晴である.肥薩線にもう1回乗ってみることに
した.
今日は下りの急行えびの1号で熊本始発8:28,先日とは逆行だ.キハ65は座席
はリクライニングシートとそうでないのとある.当然、前者の車両に席を取る.球磨
川風景を見ながら行くと坂本という駅に停車、鹿児島新幹線平成3年着工祝と書いて
ある.この駅付近を通るようだ.それにしてもこの肥薩線と平行して、すでに高速道
が完成しているのだ.
人吉からいよいよ矢岳越え.車掌氏も一生懸命に沿線の案内放送をしてくれる.
とにかく、ここから吉松までは雄大なループとスイッチバックのある車窓風景も最高の路線だ.
大畑/矢岳間のように鉄道が尾根づたいに走る所はそうあるものではない.矢岳駅の3分間
停車ではSL展示館を見れますという車掌のアナウンス.これはいい.10名程度の
乗客と一緒にD51を見学.9600もあったのだが,今は復活運転でSL阿蘇ボー
イとして山を下りているのだ.
トンネルを出たところが見晴らしのよい車窓になる.霧島山もよく見える.ところ
で私の席の反対側のボックスに乗っているYLさん,熊本を出てからずっと眠りこけている.大
きなバックを持っているが旅行者なのかどうか,カーテンも閉めたままである.
次の真幸駅のホームの石庭は駅の無人化であせてしまっているのが残念だ.
吉松駅では私を含めて3人程しか下車しない.えびの号はこの駅からは進行方向を
変え宮崎に向かって行った.私はここで隼人行の普通列車に乗り換える.次の栗野駅
では旧山野線の廃線跡を見送る.隼人で日豊線に乗り換えて下校の高校生とともに西
鹿児島駅12:27着.
昼食はホームのうどんで済ませ,13:07発のハイパー有明40号に乗る.ここ
から八代までは車窓もいいところが多い.伊集院では下りのはやぶさと離合.
今日はこの後,鹿児島を13:10に発車するブルトレのはやぶさにB寝台ソロ券が
昨日熊本駅で取れており,鳥栖でそれに乗り換えることにしている.
鳥栖では1時間の待ち時間の間に,駅前に出てちょっと早いが居酒屋
で夕食.それにしても電車と客車のスピードはこんなに差が出てしまうのだ.
17:52,鳥栖からはやぶさのBソロ14番の客となる.来るときもそうだった
が,上の部屋は無線をやるには地上高があって好都合だ.早速パケットをセットして
太宰府のJE6QJV’RLI局にコネクト.挨拶のメールを入れる.自分が熊本で
いれた<TO RAIL>のFWD確認も出来た.
今回Bソロ室内の荷物棚にあるコンセントを充電器に使ってみた.FBに使える.
しかし,なんでこんな使いにくい場所にコンセントを付けてあるのか.A寝台個室の
はすぐ手元にあるのに.でも充電できたおかげで終着までパケットをモニターすることができた.
小郡を過ぎたあたりで眠くなってしまい,そのかわり名古屋あたりで目がさめてし
まった.パケットは安城/静岡でコネクトしたもののその後はうまくいかなかった.
東京着,3月3日の10:09.
今回,季節外れでもあったためか旅行客は少なくて,らくなレールの旅をする事が
出来た.限られた6日間にワイド周遊券を有効に活用し,行き当たりばったり的では
あったが,効率よくJR九州内のほとんどの主要幹線に乗り,さらに第三セクター/
フェリー/路線バス/代行バス/市電/地下鉄などにも乗ることが出来,満足の行く
旅行であったと考える.
今回あとで考えてカメラが無かったのが残念、今ならデジカメなのだが。。.
(A.Kaneko 1991)・・2008更新
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