●新潟県●
<越後交通(来迎寺−西長岡)>・・・平成7年廃止
来迎寺駅跡来迎寺付近の廃線跡
新潟県中越地方には私鉄路線が多く走っていたが、ほとんどが廃止線になってしまった。その中の長岡市の西側にあった「越後交通・長岡線」の廃線跡を歩いてきました.
梅雨に入ったばかりの日曜日でしたが、良い天気でした。上越新幹線で長岡まで行き、そこから乗り換えの信越線も本数が少ないが3つ先の「来迎寺駅」で下車します。ここが越後交通の始発駅だったのです。今でもローカル的な静かで小さな町の駅だ。
駅舎の反対側に広い空き地があり、そこが「越後交通」のホームがあった感じがします。 旧越後交通線側へは町中を少し歩いて西側の旧踏切(今はバイパスが出来て閉鎖)まで行きます。そこには歩道橋はあるのでそれを渡り、そこから駅構内が見渡せるが、遺物は何も残っていないが、踏切の線路はそのままある。 平成8年発行の「鉄道廃線跡を歩く」の本では線路が敷かれたまま残っていると書かれているが、今ではほとんど撤去されている。 踏切から進行方向を見ると築堤はそのままで、歩行は可能である。しかし、今の季節は雑草が多くて歩きにくいところは平行する道路を歩くことにする。少し先の100m程の鉄橋部は橋桁もすべて撤去されているが、田圃の中のガードはそのままだ。
深沢駅跡 道路を回って少し行くと「深沢駅」と思われるホームがあり、倉庫もある。また所々に架線の木柱・ブームや碍子がころがっている。 この先は平行している歩きやすい農道を歩く。次の「上富岡駅」があったあたりは資材置き場のようになっており、さらに新しい道路も出来ており、ここで廃線跡を一時見失う。しかし、少し先の田圃の中の築堤で線路敷きを確認、オンコースに戻る。このあたりの踏切には「廃止」の標識が立ち、道路面のみ線路が残されている。
関越道をくぐった先の「才津駅」のあたりは雰囲気はあるのだが、工場などに囲まれて場所の特定はできず。その先も淡々と玉砂利のある廃線敷きが続き、市内の住宅地に入る。
やがて旧西長岡駅の広い構内になる。ここからは構内には入れないので南側(駅裏だった)から回っていくと外された線路が積まれていたり、通運会社があったりするが、殆どは草で覆われている。この駅の先は信濃川の大きな堤防が立ちはだかっている。 北側へ回ると明らかに駅前の雰囲気があるが、すでに駅舎は無く、ホームと小さな物置は残っているが、駅前広場と駅前通りが寂しい。
廃線跡はこの西長岡駅でスイッチバックして日本海の寺泊へ向かうのであるが、本日の探索はここまでとする。 駅前通りを少し歩いた大通りはクルマが頻繁に走る。そこのバス停から長岡駅までのバスがすぐに来たので乗車する。
関越道をくぐる廃線跡 有栗付近

長岡市は信濃川を挟んで東西に分かれており、上信越線・新幹線の走る東側に中心が行ってしまった。越後交通もこの影響を受けてしまったのである。また途中駅の周辺はすべて農耕地であるため、利用者の衰退が目に見えたのである。
(A.Kaneko 1999/6月)
inserted by FC2 system