●北海道●
<松前線の廃線跡>

松前線は昭和12年を皮切りに木古内から順次に線路が延びてきたが、最後の終点である松前駅までの開通は昭和28年であった。 しかし、昭和63年には津軽海峡線の開通する1ヶ月前に廃止になってしまったのである。
松前線の廃線距離は50Kmもあるし、歩けないところが多そうなので今回は函館の駅レンタカーを借りての探索とした。 途中、国道沿いに道の駅「しりうち」があり、ちょっと休憩します。ここの裏には海峡線の知内駅がありますが、駅舎は道の駅(知内町物産館)に隠れるようにありました。 それにしても朝晩1本ずつ、2往復の列車しか停車しない駅なのである。線路脇では路盤工事をやっているが、新幹線関連工事なのだろうか。 ちょうど「スーパー白鳥14号」が来る時間(9:39発)だったので撮ってみました。5〜6名の客が乗車して青森方面へ向かって行きました。
知内駅知内駅

さらに国道228号を走って終点だった松前駅跡へ直行します。松前に近づくと高い廃線橋梁が数ヶ所で目に入ります。
松前町は小京都と呼ばれる歴史のある古い城下町。 旧松前駅は古い町並みの残る市街地を抜けた先の高台にありました。駅の跡地には石碑とホーム跡が残っており、線路跡は道路になっていました。 駅舎跡は駐車場と空き地になっており、バス停の標識は「博多公宅前」となっています。ここから西へ未成線跡もあるのだが、それは後の機会にします。
松前線松前線

市街の北側の松前城公園の下をくぐった廃線跡は国道よりも高い丘の上を通っていますが、市街地付近ではトンネルや橋梁跡はよくわかりません。 ここは踏切だったところでしょう。掘り割りだったと思われる跡は埋め立てられて生活道路になっています。その先へ行くと沢を築堤で横切っていたところが、崩されてご覧のように新道の建設が進められていました。
松前線松前線

その先ではもう新し道路に変貌していました。地元の人に聞くとこの廃線跡の新道は津波時の避難道路だということです。 そう、松前線の廃線跡は海岸の国道よりも概ね10メートルくらい高い位置を走っているのです。
次の沢では橋桁は無くなっていますが、築堤はそのままになっていました。
松前線松前線

「櫃(ひつ)の下橋梁」は国道から見上げるようなところに架かっていました。ここは道路の上だけが橋桁が外されています。
松前線松前線

ここは旧福山街道と交差する橋梁です。荒谷川の上を越えます。
荒谷川沿いに峠を越えて福島方面に向かう旧街道も歩いてみたいのだが、すぐ先で草に覆われてしまっていました。
松前線松前線

その先の廃線跡は長い白神トンネルに入るので、国道に戻って白神岬を回り、出口側に行ってみます。 廃線跡は道路に沿っていて明確にわかるのですが、トンネル側は採石工場の敷地になっているようです。 青函トンネルの工事の時代にはこの吉岡付近は関係者で賑わっていたようですが、今は静かです。
松前線松前線

吉岡駅のあったところを過ぎて国道に戻り、まもなく福島町の市街地に入って道の駅「ふくしま」で休憩とします。レストランは無いので近くのコンビニ弁当で昼食とします。
この町は横綱のふるさとで、そばには「横綱記念館」があります。福島町は言わずと知れた千代の山と千代の富士の古里なのです。
松前線松前線

町のはずれには「青函トンネル記念館」があります。¥400で入館してみます。トンネルの概要や工事のもようが展示されたり、ビデオも見られます。
そこから少し入った町役場の奥に防護柵が唯一廃線跡を物語っています。
松前線松前線

かってはこの役場の場所が福島駅だったようです。
福島を後にし、国道から少し逸れて山道に入ると再び峠に向かう築堤が続いていました。
松前線松前線

国道に戻って峠を超えると知内町に入り、千軒駅の跡があります。駅舎のところには「大千軒岳登山者休憩所」がポツンと建てられていました。
旧駅構内は草地になっており何も残っておらず、知らない人なら駅跡とはまったくわからないようです。駅前通りは商店にその雰囲気を残しています。
松前線松前線

その先は一部が農道としても使われているようだが、まもなく知内川の右岸に行ってしまい、湯の里で左岸に戻ってきます。 右の写真は湯の里駅付近です。地元の人に聞いて駅跡とわかりました。
松前線松前線

平行する広い道道を行くと、築堤は藪になって続いています。
松前線松前線

ここは津軽海峡線と交差するところです。いつも海峡線の車窓から瞬間だけ見えるところです。踏切ガードがひとつだけ残されていました。
松前線松前線

その先も農道や藪になったところが断続的に続きますが、田んぼの整理でわからなくなるところもあります。 知内駅跡はどの辺なのかわかりませんでした。
松前線松前線

国道から西奥へ少し入ると防雪林があり位置が良くわかります。距離標識が残っていました。
松前線松前線

木古内の町が見えて、海峡線の架線が見えて来るとまもなく木古内駅です。
松前線松前線

時刻は15:25分、まだ時間が早いのでこれから函館の先にある戸井線の未成線跡に行って見ることにします。

(平成18年7月)
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