ADSLの話

ADSL(asymmetric digital subscriber line)が最近普及している。これは従来のアナログ電話回線を使って最大約1MHz以上の高周波の信号を重胆し、高速データを送受信するアナログ通信である。
通信速度は非対称方式で、下りは最大1.5M、8Mbpsまたは12Mbps、上りは1Mbps以下となっている。最近になって下り40Mのサービスも行われているが、この辺が限度であろう。

使用帯域の比較
ここでアナログ電話・ISDN・ADSLの帯域の比較をしてみる。。
アナログ電話の帯域は可聴周波数内の4KHz以下で狭い。
ADSLの通信速度は非対称方式であり、下りは8Mbpsの場合、1.1MHzまでの帯域を使用する。 1.5MのADSLの場合は550KHz迄の帯域となる。文字通りブロードバンドである。 またISDNとADSLは周波数が重なるため、同じ線路を使用することは出来ないが、アナログ電話とADSLは離れているため共用可能である。

1.5Mbpsと8M/12Mbps
1.5M/8M/12Mの速度はITU(国際電気通信連合)により規格を決めたもので、4Mや5Mなどの規格は無い。
1.5Mにしても8Mにしても信号は高周波であるため、伝送線路では周波数が高いほど減衰がおこる。そのため交換局から3Km以上離れた場合は8Mでも1.5Mと同じくらいの速度でしか接続できない。
NTT東日本では設置場所での信号強度がどの程度かを、電話番号で診断するサイトを提供している。以下のアドレスでチェックできる。
http://www.ntt-east.co.jp/flets/misc/adspeed.html

ADSLは高周波通信
ISDNやADSLは可聴周波数ではなく、周波数の高い高周波を使っている。要するに電波になって空間に飛び出してしまうような帯域を使っているのだ。特にADSLではメガ帯域まで使っている。たとえば中波ラジオ放送はこのADSLの周波数とかち合っているのだ。(NHK東京第一放送は594KHz、文化放送は1.134MHz)
このような高周波信号を従来の電話線(ただの2本線でシールド無し)でやりとりするのだから問題は当然発生する。おそらくADSLの電話線の至近距離では中波放送には雑音が入るでしょうし、同じ束になったADSL回線同士ではお互いに妨害し合うのです。伝送距離が長くなるほど減衰するというのは不要電波を撒き散らしている分が減衰になるのである。 この点、CATVのブロードバンド通信はもっと高い周波数のVHF(テレビ電波の下)を使っているが、シールドされた同軸ケーブルを使っているので影響は少ない。
いずれにしてもADSLは問題点が多く、次世代通信インフラが完備するまでの繋ぎでしかないでしょう。

ブロードバンドの上り回線について
ADSLでは上記のように上りの速度を抑えて、下りの通信速度を優先している規格になっている。 下り速度ばかりをPRしている回線業者も多いが、上り速度も早いほうがいいわけで、それもぜひ確認してから契約することをお勧めする。



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